新しい胃がん検診(ABC検診)の解説です。
血液検査によるABC検診は、従来のバリウムX線検査より安全・正確で
簡便・低コスト(4400円税別)であり、費用対効果に大変優れた方法です。
住民検診として徐々に普及が進んでいます。
ハイリスクと判定された人は定期的に内視鏡検査を受けて確実な診断をします。
X線検査の問題点
@ 費用対効果が悪い・・・・面倒な割りに胃がんの発見率が低い
A 体位を頻繁に変えるなど撮影が煩雑で、読影技術が難しい。
B バリウムを飲むため、高度な便秘など安全性に問題がある。
C 放射線被爆のリスクがある。(何度もX線照射をあびる。)
新しい検査法が提唱された背景
@ 胃がんのほとんどは、ピロリ菌感染者から発生する。
A ピロリ菌の未感染者からは、ほとんど胃がんが発生しない。
B 胃がんの発見には、内視鏡検査が必須である。
C X線検査の位置づけは、内視鏡検査への通過点となっている。
D ペプシノゲン検査の開発
ペプシノゲンを測ることによって胃粘膜の萎縮(老化)の程度が判定できます。
萎縮度が高いほど胃がんが発生しやすいことがわかっています。
胃がんのリスクのスクリーニング検査としてはとても有用であり注目されている。
ABC検診の内容
血液検査でピロリ菌の感染の有無とペプシノゲン検査で
胃の老化度合いを同時に測定する。
ピロリ菌 感染 |
ペプシノ ゲン判定 |
胃がん発生のリスク | 検査間隔の目安 |
(−) | (−) | A:非常に低い(ほぼ0) | 5年に1回ABC検診 |
(+) |
(−) | B:やや高い(1000人に1人) | 内視鏡にて3年ごと |
(+) |
(+) |
C:高い(400人に1人) |
内視鏡にて2年ごと |
(−) |
(+) |
D:非常に高い(80人に1人) |
内視鏡にて毎年 |
胃粘膜の老化が進むとピロリ菌も住めなくなり(−)になってしまうためD判定は最もハイリスクです。
受診費用(税別):¥4400(血液検査のある健診コースとともに受診する場合は、400円引きになります)